モロ先生の授業「その『誰も求めていない欲望』と戦え！」

2023.11.16

諸江史耶

（※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓）

この「ピアノ講師」という職業をしていると、高確率で「先生、お手本を弾いてほしいです」と依頼されることがあります。

中には、とても初見では演奏できないような、すごく難しい曲でお願いされることも。

かつての僕は「お手本だし！」と完璧にこだわって「じゃあ、また次回やりますね！」と応えていたのですが、これは大きな間違いでした。

生徒さんが求めているのは「今、お手本が欲しい」という依頼であって「後日、完璧な演奏が聞きたい」とは言われていないんですね。

６割くらいの出来でもいいから、今、見せてくれ！と。

要するに、今、学習意欲が沸き立っているのに、後日だと、なんだか空振りしたような感覚になっちゃうんです。

むしろ、僕が完璧を披露することで、生徒さんが考える余白まで失ってしまう。

「後日１０割」「今６割」を出し分けることって、本当に重要です。

これ多分、ピアノレッスンのみならず、お仕事にも通ずるところあると思います。

相手に納期を聞く癖をつけて「そのタイミングでの提出をご希望であれば、６割でしたらお出しできます。来週までお待ちいただければ、１０割でお出しできます」とすぐ応えられる社員は、すごく有能に感じませんか？

この「１０割の欲望」と戦う癖を、是非つけてみてください。

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