2023.11.27
諸江史耶
モロ先生の授業「自分の実力よりちょっと難しい曲にしか『面白い』なんて無い」

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)

https://stand.fm/episodes/6563e9d4b5b1760c216d0bef

先生としてキチンと撤退を提案することがある

普段から約80名の生徒さんとレッスンをさせていただいているわけですが、レッスンの中で「弾きたい曲」を提案されることがあります。

この時僕は、基本的には生徒さんの意見を尊重するのですが、意見以上に尊重しているのが「生徒さんの目標」です。

だから「その目標を叶えるためには、そのやり方だとちょっと苦しいかもしれないよ?それでもやる?」と伝えることもあります。

そう考えると僕って、イケイケドンドンのヤツじゃないんです。

むしろその逆で、とにかく臆病で、まわりがドン引きするぐらい手堅いんです。

とりあえず「弾けるようになるまで時間がどれだけかかってもいいから、好きな曲だけ弾いていたい」という目標であれば、全く止めません。

止めるのは「年間で4曲は弾けるように」とか「来月までには完成させたい」など、数字が絡んできた時には、時々撤退を提案することがあります。

生徒さんからすると、この曲を前に進める為のアドバイスを貰おうと思って『ジョイのレッスン』を買ったのに、まさかまさか「ブレーキを踏まれてしまう」という晴天の霹靂です。

耳触りの良い言葉なんていくらでも言えるのですが、だけど、仕事として受けた以上は負けさせるわけにはいかなくて、ゲームオーバーになりさえしなければ、また挑戦は続けられるので、「ここは一旦、撤退しましょう」ということがあります。

これ、一緒にしてほしく無いのは「あなたには無理」とか、実力を理由にしてブレーキを踏むのは、本当にいただけないし、ピアノ講師になって5年目ですが、ただの1度もそんなことはしたことありません。

僕が止めるのは「今の練習頻度で、完成時期がそこだと、ちょっと難しいから、一旦撤退して、目標を立て直しませんか?」です。

「自分の実力よりもちょっと難しい曲」の中にしか『面白い』なんて無い

ただ一方で、今、ノリにのっている生徒さんから、まったくもってデタラメな規模の挑戦に対するアドバイスを求められたんです。
 
いつもなら、間違いなく「撤退」を提案しているのですが、昨日は「やる方向」で話を進めたんです。

その時重ねていたのは、学生時代の自分の姿です。

僕はバイエルもソナチネもインベンションもシンフォニアも、ほぼやったことがありません。

ハノンも、高校時代にちょびっとだけ。

弾いていたのは当時好きだったJpopやアニソンで、音楽学校に入学した後に勉強したクラシックも、いきなりベートーヴェンとかでした。

これは自慢でもなんでもなく、実力不相応の挑戦をしたもんだから本当に死ぬかと思いました。

母曰く、当時の僕は目が血走っていて、話しかけるのもおこがましかったそうです笑

だけどだけど、「(理屈でいうと)自分の実力よりもちょっと難しい曲」の中にしか『面白い』なんて無いんです。

算盤をはじいて「君の実力なら弾けるよ」という曲は、実力を上げる必要がなくて、自分自身が停滞するので。

大切なのは「いつ挑むか?」

iPhoneも、テスラと、ディズニーランドも、「まともに考えたらやらない方がいいこと」をやって、力ワザでねじ伏せたから今があるわけで、やっぱり僕らはどこかで、「難しくてやらない方がイイこと」に挑まなきゃいけない。
 
大切なのは、「いつ挑むか?」で、これに関してはフワッとした表現で申し訳ないですが、「自分で自分を成長させることができる腕力を手にした時(音楽的自主性)」だと思っていて……謎の勇者モードに入っちゃっている人は、その音楽的自主性を手にする前に「人生は挑戦だー!」とやっちゃうのですが、それは自殺行為。
 
僕は、それは止めるんです。

そして僕がその実力の判断を間違ってしまっては、生徒さんの音楽人生が変わってしまうので、そこの精度だけは常に意識して高く保つようにして、コミュニケーションも頻繁に取るようにしています。

今回の生徒さんのチャレンジがデタラメなチャレンジであることは百も承知だったのですが、一方で、今日に至るまでにたくさんの曲を弾いてこられて、自分のスケジュールの中でできる一番効率的で楽しいピアノライフを熟知しておられるのも分かったので、ここでアクセルを踏まないと『面白い未来』なんて一生やってこないと思ったので、「これ、やりましょうよ」と言わせていただきました。

ただ、これまでのチャレンジとはレベル違いますよ?やることやって、勝ちに行きましょうね、とお伝えしました。

繰り返しますが、僕は博打は大反対です。

ですが、理屈を後回しにして「エイヤ!」と踏み切らないと始まらないことがある。
 
皆さんも、その時が必ずくる。
 
その時は、「そもそも、その分野において徹底的に努力できる準備ができているか?」と自分に聞いてみてください。

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