2024.4.6
諸江史耶
モロ先生の授業「Youtubeに上がっているプロの演奏を真似ることに意味はあるのか?」

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)

https://stand.fm/episodes/66107fbae6e2e7f128d4fa79

「演奏の表面」だけ真似をしても全く意味がない

僕は一応音大を出ているのですが、音大時代は周りの学生よりピアノを始めた歴も浅く、コンクールの経験も浅いので、単純計算「周りよりも倍は頑張らないと、追いつかない」「周りがサボっている時が、チャンスだ」と思ってめちゃめちゃピアノを弾いてました。

とはいえ、ただ繰り返し弾くだけではなく、当時はまだ出てきたばっかりだったYouTubeを使って、そこにアップされているプロの演奏を何度も観察して、見よう見まねで勉強していました。

「学ぶ=真似ぶ」と言われているわけですから、僕はこの練習(研究?)を推奨してますし、暇さえあればやった方がいいと思います。

では「プロの演奏を真似すれば、ピアノが上手くなるのか?」と言われると、必ずしもそうとは限りません。

いや、それだけでは、意味がないというべきか。

例えば、皆さんはグレン・グールドというピアニストをご存知でしょうか?

ぜひYouTubeで調べてみていただきたいのですが、この人の真似をして演奏すると、まず間違いなく肩肘を痛めて、指も動かず、自分のポテンシャルを全く出せない演奏になると思います。

でも、グールドの演奏は大変素晴らしく、亡くなって何十年も経っている今でもファンがいるピアニストです。

ではなぜ、グールドは「変なフォーム」で、これほどの演奏ができるのか?

それは言葉を選ばずに言うと「彼だから」です笑

これではあまりに不親切なので、もう少し踏み込んで言語化すると「彼は押さえるべきところをきちんと押さえているから」ですね。

例えば、彼は解像した自前の椅子を常に持ち歩いていて、これでもか!というくらい鍵盤に近づいて演奏をするのですが、何も知らない僕らがそれをやると、肘が下がって手首が上がって、手首に負荷が集中して、腕全体が硬直して、指が動かなくなります。

これは「努力すればどうにかなる!」という話ではなく、シンプルな人体の話です。

ところがグールドは、現代の音が大きいピアノで、バッハやモーツァルトが生きていた時代の音色を求めて、このフォームにいきついたと考えられます。

そして、この無理のあるフォームでも、体への負荷を最小限にするために、1フレーズごとにちゃんと力を解放(脱力)しているんです。

要するに「理想的ではないフォームだとわかっているけど、追い求めている音色を表現するにはこのフォームが一番適しているから、このフォームでできる正解を再現している」ということですね。

ここまでの背景があるのに、YouTubeで見た我々が「このフォームだけ」を真似て、上手くなるはずありません。

では、どういったYouTubeの使い方をするのが最も理想的なのか?

それは「①演奏したい曲のイメージや音色を確立する→②そのイメージに最も近い演奏をYouTubeで探す→③フォームや表現を参考にする」の順番で研究することですね。

この最初2つをすっ飛ばして、3だけやろうとすると失敗することが多いです。

ただ、YouTube自体は絶対に使うべきだし、あなたの演奏をグレードアップする大きな手段になってくれると思います。

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