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これまでの経験から強く感じているのは、年代によって、力を入れる場所は明確に変わるということだ。
若い頃は横のつながりが財産になり、次の時期は行動量がものを言う。
さらにその先では、磨いてきた専門性が評価される。
僕は今、そのタイミングにいる。
そして次の年代は、それらを「どこで、誰に届けるか」を決める局面に入っている。
積み上げてきたものを、最も価値が伝わる場所へ運ぶフェーズだ。
そのため、今はとにかく人に会うため、機会があればどこでも顔を出すようにしている。
目的はシンプルで「直接話すこと」そのもの。
どれだけ動けても、どれだけ腕があっても、
それだけでは辿り着けない場所が、確実に存在する。
長年ひとつの技を磨いてきたとしたら、
次にやるべきは、さらに精度を高めることではなく、
その価値を正しく理解し、高く評価してくれる環境を探すことだ。
それを可能にするのが、人との接点であり、関係性への時間と労力の投入だと思っている。
僕の場合、ピアノがそれだ。
関係づくりの先で、思いがけない話が動き出す
昨日は、ジョイスタジオがある浦和区東岸町の自治会の忘年会に参加してきた。
このようなごく限られた場で、お話ができるのは本当に有意義だった。
会場に到着したらそこで待っていたのは、地域のママさんたちで、参加者の９０％がママさんだった。
僕が家でひたすらピアノの練習だけをやっていたら、地域のママさんにお会いすることは簡単ではない。
では、今回どうしてこんな食事会に参加することができたのか？
答えは拍子抜けするほど単純で、いろんな人に会い続けていたら、声がかかっただけだ。
こうした話は、タイムラインを眺めていても出会えない。
閉ざされた地域の忘年会な訳で、ネット上では当然確認できない。
それでも、昨日だけで「うちの子にレッスンをしてほしい」「レンタルスタジオ使ってみたい」「今度一緒に演奏したい」という声をたくさんいただけたわけで、これは足を運ばなければ得られなかった意見です。
ほとんどは実らない。それでも続ける理由
少し前までの自分は「価値のある人に会う時間を作る」という目標を掲げていた。
その裏には、「一度で成果が欲しい」という怠慢がそこにはあった。
現実は「とにかく会いまくって、ごく稀に自分に興味を持ってくれる人に出会える」くらいのものだ。
それでも、時間が許す限り人に会う。
なぜなら、そこで手を止めた瞬間に、成長の上限が決まってしまうからだ。
何も起きない。それが当たり前。
でも、数回で判断してしまうと、何も始まらない。
今の延長線上に、大きな変化が見えないと感じているなら、
なおさら、面倒でも続けるしかない。
成果が出るかどうかではなく、
未来の選択肢を広げる行為として、関係づくりをやめないでほしい。
数年後、振り返ったときに、
「あのとき会い続けていてよかった」と思える日が来るはずだから。
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