2026.9.9
諸江史耶
モロ先生の授業「『成功する方法』より『失敗するパターン』を知ったほうがいい」

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)

https://stand.fm/episodes/6aa0a5a3ae30ac030e46f4be

▼「うまくいく方法」より、「やってはいけないこと」を知っておく

事業をやっていると、「成功する方法」を知りたくなります。

でも、実際には、同じことをやっても成功する人と失敗する人がいるし、タイミングや環境、本人の経験値によって結果も大きく変わる。

だから僕は最近、「どうすれば成功するか」以上に、「どうすると失敗するのか」を知っておくことのほうが大切なんじゃないかと思っています。

特に、会社を経営したり、ピアノ教室レンタルスタジオを運営したり、イベントをつくったりしていると、事業がうまくいかなくなるパターンには、ある程度の共通点があることに気づきます。

僕自身、これまでフリージョイでいろいろなことをやってきました。

うまくいったこともあれば、もちろん失敗したこともある。

その中で強く感じるのは、事業が苦しくなった時に必要なのは、必ずしも「もっと新しいことを始めること」ではないということです。

むしろ最初にやるべきなのは、

「今、何にお金を使っているのか」
「何が売上につながっているのか」
「誰のためにやっているのか」
「それは本当に必要なのか」

を、一度ちゃんと見直すこと。

新しい企画を考えるのは楽しい。

でも、既存の仕組みを疑うのは、意外と難しい。

だからこそ、ここを避けないことが、事業を長く続けるためには重要なんだと思います。

▼「昔からやっている」が、一番危険な言葉かもしれない

僕が自分の事業を見直す時に、特に気をつけているのが、「昔からこうしている」というものです。

長く続いているものには、それなりの理由があります。

一方で、始めた当時には意味があったけれど、環境が変わった今は必要なくなっているものもあります。

たとえば、予約方法、営業時間、料金設定、レッスンの仕組み、スタジオの使い方、イベントの運営方法。

一度つくった仕組みは、それをやめるにもエネルギーが必要なので、気づけば「必要だから続けている」のではなく、「続けているから必要なものだと思っている」という状態になってしまう。

これはかなり危険です。

しかも、厄介なのは、何も問題が起きていないように見えること。

毎日なんとなく業務が回っている。

お客さんからクレームも来ていない。

だから、その仕組みを疑う理由がない。

でも、経営という視点で見ると、「問題が起きていないこと」と「価値を生んでいること」はまったく別です。

▼「忙しい」と「儲かる」は別物

特に小さな会社では、ここを混同しやすい。

仕事が増えると、「会社が成長している」と感じます。

イベントを増やす。
レッスンを増やす。
営業時間を長くする。
新しいサービスを始める。

でも、それによって売上が増えても、同じくらい人件費や外注費、管理コスト、準備時間が増えていたら、会社に残るものはほとんど変わらない。

むしろ、忙しくなったことで、本当に利益を生んでいる仕事に時間を使えなくなることすらあります。

僕自身も、事業をやってきて、「これは売上にはなっているけど、利益にはなっていないな」と感じるものを何度も見てきました。

だから最近は、「いくら売れたか」だけではなく、

「その売上をつくるために、どれだけの時間とお金を使ったのか」

を見るようにしています。

売上が大きい仕事が、必ずしも良い仕事とは限らない。

小さくても、安定して利益を残してくれる仕組みのほうが、会社にとってはずっと重要だったりします。

▼新しいことを始める前に、今あるものを磨く

事業が苦しくなると、「何か新しいことをやろう」という話になりがちです。

新商品をつくる。
新しいイベントを開催する。
広告を増やす。
SNSを頑張る。

もちろん、それが必要な場合もあります。

ただ、僕はその前に、「今あるものをちゃんと使い切れているか」を見るようにしています。

たとえばレンタルスタジオなら、設備を増やす前に、今あるスタジオがどれだけ使われているのか。

音楽教室なら、新しいコースをつくる前に、既存の生徒さんがもっと通いやすくできないか。

イベントなら、新しい企画を立ち上げる前に、これまでのイベントで何が利益を生み、何がコストになっていたのか。

こうやって一つずつ見ていくと、「新しいことをやらなくても、まだ改善できるところがこんなにあるのか」と気づくことがあります。

事業を立て直すというと、大きな改革を想像しがちです。

でも実際には、営業時間を少し変える、予約方法を変える、不要なものをやめる、価格を見直す、導線を変える。

そんな小さな変更の積み重ねが、結果的に大きな差を生むことがあります。

▼事業を守るのは、「何を始めるか」より「何をやめるか」

結局、事業を長く続けるうえで大事なのは、アイデアの数ではないのだと思います。

「これはもう必要ない」と判断できること。

「思ったほど効果がなかった」と認められること。

「昔は正解だったけど、今は違う」と考えられること。

そして、数字を見ながら、必要ならすぐに方向を変えられること。

経営をしていると、何かを始めることより、何かをやめることのほうが難しい。

だからこそ、僕はこれからも「成功事例」だけではなく、「失敗した事例」をたくさん見ていきたいと思っています。

成功には、その人にしか再現できない部分があります。

でも失敗には、意外と共通点がある。

その共通点を知っておけば、少なくとも「同じ失敗を自分が繰り返す確率」は下げられる。

それだけでも、経営を続けていくうえでは、かなり大きな武器になるんじゃないかなと思っています。

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