2026.9.11
諸江史耶
モロ先生の授業「1打席目は、空振り三振だった」

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://stand.fm/episodes/6aa33e70fd15d59cb9a3296e

▼1打席目は、空振り三振だった。

少し恥ずかしい話をしようと思います。

2026年3月28日に、僕は人生で初めてミュージックビデオを公開しました。

タイトルは、

『諸江人生初のミュージックビデオ〜ショパンスケルツォ第2番〜』

です。

そのまんまです(笑)。

でも、この作品には、僕にとってかなり大きな意味があります。

なぜなら、これは単なるミュージックビデオではなく、

「ピアニスト・諸江史耶の映像で確認できる名刺をつくる」

という目的で始めたプロジェクトだったからです。

そして今、公開から半年ほど経った2026年9月。

再生回数は、2500回ちょっとです。

僕が上半期の目標として設定していた数字は、3000回。

つまり、目標には届きませんでした。

▼人生初は、何もかもが初めてだった

このMVは、2025年9月頃から構想を始めました。

実際に収録したのは2026年2月。

そして、3月28日に公開。

構想段階まで含めると、1年以上かけて取り組んだプロジェクトです。

しかも、僕にとっては本当に何もかもが初めてでした。

MVって、そもそもどうやって作るんだ?

どんな機材が必要なんだ?

いくらかかるんだ?

どうやって制作費を集めるんだ?

誰に頼めばいいんだ?

公開した後は、どうやって人に届けるんだ?

そんなところから、一つずつ勉強しました。

基本的には、一人で進めました。

ただ、このプロジェクトには30人を超える方々が支援してくださっています。

自分一人で始めた挑戦ではあったけれど、決して一人で作った作品ではありません。

たくさんの人に背中を押してもらって、ようやく完成した作品です。

▼「ピアニストの名刺」をつくりたかった

僕がこのMVを作ろうと思った理由は、かなりシンプルです。

僕はピアニストとして、もっと自分の演奏を知ってもらいたかった。

でも、言葉だけでは、

「諸江史耶って、どんなピアニストなの?」

ということが伝わりません。

だから、

「これを見てもらえれば、僕がどんなピアノを弾く人間なのか、一発で分かる」

そんな映像を作りたかった。

できることなら、日本だけではなく、国境を越えて評価される作品にしたかった。

それが、このMVのスタート地点でした。

だからこそ、選んだ曲もショパンの「スケルツォ第2番」。

僕自身が大切にしているクラシックの曲を、映像作品として残しました。

▼でも、思ったほど届かなかった

結果は、先ほどお伝えした通りです。

目標3000回に対して、現在2500回ちょっと。

もちろん、周りからの反応は概ね好意的でした。

中には、

「毎日聴いています」

と言ってくださる方もいました。

それは、本当に嬉しかった。

でも、数字だけを見れば、僕が思い描いていたところまでは届かなかった。

そして、その原因について、僕はある程度分かっています。

単純に、僕自身の実力不足です。

宣伝も足りなかった。

公開後にどうやって届けていくのか、その導線もかなりざっくりしていました。

そもそも「ショパンスケルツォ第2番」という選曲自体、もっと多くの人に届きやすい曲だったのかという疑問もあります。

そして何より、

「MVを作る」

ということに一生懸命になりすぎて、その先にある「観てもらう」努力が足りなかった。

そんな反省があります。

作品が悪かったわけじゃない

ただ、ここで一つだけ、僕が大切にしたいことがあります。

この結果を、

「MVを作ったこと自体が失敗だった」

とは思っていません。

むしろ、逆です。

このMVが完成したことで、僕は初めて、

「ピアニスト・諸江史耶」

というものを、映像で人に見せられるようになりました。

誰かに自分の演奏を知ってもらいたいと思ったときに、

「これを見てください」

と言える。

それだけでも、僕にとっては大きな資産です。

そして、このMVを作るために学んだことも、全部残っています。

制作の進め方。

費用の集め方。

人に協力してもらう方法。

作品を形にするまでの工程。

そして、完成した作品をどうやって世の中に届けるのか。

今回できなかったことも含めて、全部が次の挑戦に使える経験になりました。

2500回の先にあったもの

そして、面白いことも起きています。

このMVをきっかけに、来週9月16日、群馬県高崎市の高校でワンマンライブをさせていただくことになりました。

再生回数だけを見れば、僕のMVは「大ヒット」とは言えません。

でも、この一本の映像がなければ、今回のライブには繋がっていなかったかもしれない。

そう考えると、

「再生回数2500回」

という数字だけでは、この作品の価値を測れないんじゃないかと思っています。

作品を見てくれた人。

毎日聴いてくれた人。

支援してくれた30人を超える皆さん。

そして、この映像を見て僕に声をかけてくださった方。

そういう一つ一つの出会いの先に、次のステージができている。

▼僕にとっての「1打席目」

今回のMVは、僕にとっての1打席目でした。

しかも、初めて尽くしの1打席目です。

何も分からない。

どうすれば正解なのかも分からない。

だから、とにかくがむしゃらにやりました。

調べて、考えて、作って、練習して、撮って、公開した。

そして、結果としては、空振り三振だったのかもしれません。

でも、打席に立ったからこそ分かったことがあります。

「もっと多くの人に届けるには、どうすればいいのか」

「どんな曲なら、もっと興味を持ってもらえるのか」

「作品を作ることと、作品を届けることは、全く別の仕事なんだ」

それを、僕はこの1打席で学びました。

▼2打席目は、もっとワクワクするものを

だから、僕はこのMVを終わった作品にはしません。

これからも、ピアニストとしての名刺として使い続けます。

そして、別の形でも、もっと多くの人に届けていきたい。

上映会なんかも、いつかやってみたいと思っています。

次にMVを作るのは、何年後になるか分かりません。

でも、次に作るなら、もっとたくさんの人が知っている曲でやってみたい。

今回の経験を使って、もっと多くの人に届く作品にしたい。

そして何より、

1打席目よりも、もっとワクワクするものを作りたい。

人生初のミュージックビデオ。

結果だけを見れば、僕は一度、負けました。

でも、僕にとっては、この1打席があったからこそ、次の打席に立てます。

だから今は、

「1打席目は空振り三振だった」

と、ちゃんと認めようと思います。

その上で、バットを置くつもりはありません。

次は、もっと遠くへ飛ばします。

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