2026.10.28
諸江史耶
モロ先生の授業「作品を作ることと、作品を届けることは別の仕事」

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://stand.fm/episodes/6ae122002b3e296a93d6f7b4

▼人生初のミュージックビデオで学んだこと

2026年3月28日、僕は人生で初めてミュージックビデオを公開しました。

タイトルは、『諸江人生初のミュージックビデオ 〜ショパンスケルツォ第2番〜』。

ピアニスト・諸江史耶として、自分の演奏を映像に残し、より多くの人に知ってもらうための挑戦でした。

ありがたいことに、制作には多くの方々が協力してくださり、公開後も温かい感想や応援をいただきました。

まだご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。

▼『諸江人生初のミュージックビデオ 〜ショパンスケルツォ第2番〜』
https://youtu.be/puHbAud6JBg?si=oVLpjuW9lkx2yoqI

ただ、作品を公開したからといって、思い描いたとおりに多くの人へ届くわけではありません。

僕はこの作品を通じて、その現実を身をもって経験しました。

もちろん、作品を作ること自体には大きな意味があります。

自分の演奏を映像として残せたことは、ピアニストとしての財産です。誰かに演奏を知ってもらいたいとき、「これを聴いてください」と伝えられるものができたのですから。

しかし、作品を作ることと、作品を届けることは、まったく別の仕事でした。

制作中は、どうすれば良い映像になるのか、どうすれば納得できる演奏ができるのかを考えます。

一方、公開した後は、どうすれば再生してもらえるのか、どうすれば興味を持ってもらえるのか、どうすれば実際の演奏会に足を運んでもらえるのかを考えなければなりません。

僕の場合、映像を完成させることに力を注いだ一方で、公開後にどう届けていくのかという設計は十分ではありませんでした。

作品を作れば、自然と誰かが見つけてくれる。

そんな期待だけでは、なかなか人には届かないのです。

これは、音楽に限った話ではありません。

どれだけ素晴らしい商品を作っても、存在を知られなければ買ってもらえません。どれだけ魅力的なイベントを企画しても、その魅力が伝わらなければ参加してもらえません。

作品を生み出すことに全力を注ぐのは当然です。

でも、それだけでは足りない。

このミュージックビデオは、僕にそのことを教えてくれました。

▼作品を終わらせないための仕組みを作る

では、一度公開した作品を、どうすれば長く届け続けられるのでしょうか。

僕は、作品を作ることと同じくらい、作品を届けるための仕組みを考えることが重要だと思っています。

例えば、今回のミュージックビデオも、公開して終わりにする必要はありません。

初めて会った人に自分の演奏を紹介するときに使えますし、ピアニストとしての活動を知ってもらうための名刺にもなります。

また、実際に生演奏を聴いてもらうきっかけにもなります。

つまり、映像そのものから直接収益を得ることだけが、作品の価値ではないのです。

作品をきっかけに新しい出会いが生まれたり、演奏依頼につながったり、僕自身のことを知ってくれる人が増えたりする。そうした可能性も含めて、作品を活用していく必要があります。

実際に、僕はこのミュージックビデオをより多くの方に届けるため、公開後も宣伝を続けてきました。

その過程で、作品を紹介することの難しさや、応援してくださる方々のありがたさ、そして一度作ったものを繰り返し活用する大切さを学びました。

ここで重要なのは、気合いや根性だけで届け続けようとしないことです。

もちろん、自分自身が動くことも大切です。しかし、毎回ゼロから宣伝方法を考えていたら、次の作品を作る余裕がなくなってしまいます。

だからこそ、作品を作る段階から、その後の活用方法まで考えておく必要があります。

例えば、ミュージックビデオを制作するなら、公開後にどんな人に見てもらいたいのか、どんな場所で紹介できるのか、どんな仕事やイベントにつなげたいのかを考えておく。

そして、一度きりの告知で終わらせず、さまざまな場面で繰り返し活用できるようにする。

そうすれば、作品は公開日だけのものではなく、その後も働き続けてくれる資産になります。

これは、株式会社フリージョイの経営にも通じる考え方です。

僕たちは、ピアノ教室やジョイスタジオの運営、イベントの企画などを行っています。

そこで生まれる価値を、一度きりの売上で終わらせるのか。それとも、新しいお客様との出会いや継続的な利用につながる仕組みにできるのか。

この違いは、事業を長く続けていくうえで非常に大きいはずです。

作品を作ることは、ゴールではありません。

作品を通じて誰かと出会い、その出会いから新しい価値が生まれ、さらに次の挑戦につながっていく。

そんな循環を作ることができれば、一つの作品から生まれる可能性は大きく広がります。

僕はこれからも、ピアニストとして新しい挑戦を続けていきたいと思っています。

ただし、次に何かを作るときは、完成させることだけを目標にはしません。

どうすれば届けられるのか。どうすれば長く活用できるのか。そして、その作品から次の可能性を生み出せるのか。

そこまで考えたうえで、作品を生み出していきたいと思います。

せっかく生み出した作品です。

一度公開して、少しずつ忘れられていくものにするのではなく、何度でも誰かと出会うきっかけにしたい。

『諸江人生初のミュージックビデオ 〜ショパンスケルツォ第2番〜』は、僕にとってそのための第一歩です。

作品を作る力と、作品を届け続ける力。

この二つを磨きながら、これからもフリージョイらしいエンターテインメントを生み出していきます。

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