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▼社長が現場から離れることは、本当に正解なのか
経営者は現場の仕事から離れ、経営に専念するべきだ。
会社を成長させるうえで、この考え方は間違っていないと思います。
社長が自分で仕事を抱え込んでいれば、事業の成長は自分の使える時間に制限されてしまいます。だからこそ、日々の業務を仕組み化し、自分がいなくても事業が回る状態を作ることが重要です。
ただ、僕はエンタメカンパニーの社長です。
僕の仕事は、単に業務を効率化したり、決められたサービスを安定して提供したりすることではありません。人が喜ぶサービスを考え、新しい楽しみ方を生み出し、お客さんに「面白い!」と思ってもらえるものを開発することです。
そう考えると、現場から離れることには大きなリスクもあります。
お客さんが何を求めているのか。何に喜び、何に飽き始めているのか。これまで想定していなかった楽しみ方が生まれていないか。
こうした変化を見逃してしまえば、どれだけ業務を効率化しても、肝心のサービスそのものが時代に合わなくなってしまうかもしれません。
特にエンターテインメントの世界では、過去にうまくいったことを繰り返すだけでは、新しい感動を生み出せないことがあります。
だから僕は、仕組み化を進めることと、現場に関わり続けることは、必ずしも相反するものではないと考えています。
むしろ、日々の業務から解放された時間を使って、お客さんと接し、新しい需要を探し続けること。それもまた、社長が担うべき大切な仕事なのではないでしょうか。
▼思いつきを試し続けることで、ヒットの種を見つける
僕が大切にしているのは、お客さんと直接話し、そこで得た気づきやアイデアを、できるだけ実際に試してみることです。
もちろん、思いついた企画がすべて成功するわけではありません。
むしろ、ほとんどは期待したほどの反応を得られず、改善が必要だったり、そのまま終わったりします。
それでも、10回、20回と試していくうちに、ときどき予想以上の反応が返ってくることがあります。
自分では小さな試みだと思っていたものが、お客さんにとっては大きな楽しみになっていた。こちらが想定していなかった使い方をしてくれた。そんな発見が生まれることもあります。
僕は、こうした偶然の当たりを大切にしています。
最初から完璧な企画を作ろうとするのではなく、まずは小さく試し、反応を見て、手応えがあったものを育てていく。
この方法なら、最初から大きな予算や時間を投じる必要もありません。うまくいかなかった企画から学びながら、可能性のあるものに力を集中できます。
そして、一度当たったからといって、すぐに大きく展開するのではなく、なぜ喜んでもらえたのかを考え、改善を重ねていくことが重要です。
エンターテインメントは、人の感情を扱う仕事です。数字や理屈だけでは、事前にすべてを予測することはできません。
だからこそ、お客さんの反応を直接感じながら、実験を繰り返すことに価値があるのだと思います。
僕にとって、現場での対話と思いつきの実践は、単なる気まぐれではありません。新しいコンテンツの可能性を発見するための、大切な開発プロセスなのです。
▼自分らしい経営と、事業を大きくする仕組みの両立
世の中には、現場の仕事を社員に任せ、経営者として大きな方向性だけを示すスタイルがあります。
組織を成長させるうえで、そうした経営のあり方が有効な場面は多いでしょう。
ただ、僕自身は、現場から距離を置いて指示を出すことだけに徹するスタイルが、必ずしも自分に合っているとは感じていません。
お客さんと話し、面白そうなことを思いつき、実際に試してみる。その中から生まれた可能性を見極め、少しずつ育てていく。
こうした動き方が、僕にとっては自然ですし、エンタメカンパニーを経営するうえでも大切にしたい部分です。
ただし、ここで忘れてはいけない問題があります。
すべての企画を自分で考え、すべての実行を自分で管理していたら、事業は僕の時間以上に大きくなれません。
僕が現場に関わることで新しい価値が生まれる一方、僕が関わらなければ何も進まない状態になってしまえば、会社としての成長には限界があります。
だからこそ、日々の業務は仕組み化し、任せられる仕事は任せる。そのうえで、自分はお客さんとの対話や新しい企画の検証など、自分が関わることで価値が生まれる仕事に時間を使う。
そして、手応えのあった企画は、僕一人の活動で終わらせず、継続的に運営できる仕組みへと育てていく。
この循環を作ることが、これからの僕の経営課題だと思っています。
大切なのは、世の中で理想とされる社長像に自分を合わせることではありません。自分の強みを活かしながら、個人の能力だけに依存しない事業を作ることです。
仕組み化によって時間を生み出し、その時間で新しい価値を探す。そして、見つけた価値を仕組み化して、さらに大きく育てていく。
このバランスを探り続けることが、僕らしいエンタメカンパニーの経営につながっていくのだと思います。
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